COLUMN

2020.07.15

もしかして、うちのパパも産後うつ!?パパにだって「産後ケア」を届けたい!

 

出産後、10人に1人が発症すると言われている「産後うつ」。

出産したママだけでなく、パパも「産後うつ」になる人がいるということ、ご存知でしょうか。なぜ、出産をしていないパパも産後うつになるのか。今回は、近年増加傾向にあるという「パパの産後うつ」に注目していきます。

 

「産後うつ」はママだけではないのです!

 

アメリカの医学誌の発表によれば、約10%の父親に産後うつが認められ、その症状は産後3~6か月に最も多くみられたという報告があります。

 

一方、日本でも、2016年に実施された国立成育医療研究センターの調査によれば、約17%の父親に産後うつのリスクがあったことが認められています。さらに、その詳細をみていくと、産後2か月で「リスクあり」と判定された人は、そうでなかった人と比べると、「赤ちゃんが泣いているのを放っておく」「大声で叱る」「お風呂にいれない」「着替えをしない」など、子供への接し方が悪くなっている傾向が7.7倍高くなっていることが示されています。

 

なぜパパも「産後うつ」になってしまうのか?

 

妊娠出産による体力不足や疲労、ホルモンバランスの急激な変化によって心身のバランスを崩しやすいママに対して、どうしてパパも産後うつになってしまうのでしょうか。

 

この原因については、産後うつになる父親は優しく、まじめな男性が多いという傾向が指摘されており、こうした元々の「性格的な要素」とともに、「育児と仕事の両立に対する不安」や、「出産前後の転職・昇進といった環境変化」、「妊娠中から産後のパートナーとの不仲」、「人間関係の悩みやトラブル」などが発症のリスクを高めると言われています。

 

今、誰もが聞いたことがあるであろう「イクメン」という単語。これは2010年に、厚生労働省が「男性の子育て参加や育児休暇取得の推進」を目的に「イクメンプロジェクト」を始動させたことによって注目されるようになりました。

 

このプロジェクトとともに、育児に積極的に参加していく「イクメン」の存在が広く認知・推奨されるようになってきましたが、それとともに、ワンオペ育児など「母親の子育ての孤立」が社会問題となっている現在、ますます父親に求められる育児への理解やサポートを求める声は高まっています。

 

こうした背景のなか、父親に期待される役割が急増しつつあり、父親もその「父親役割への過度な期待」や「慣れない育児への戸惑い」、「経済的な責任感」などによってストレスをためやすく、その結果、パタニティブルーに苦しむ人も少なくないそうです。

 

パパの「産後うつ」を予防するために

 

では、パパの産後うつを予防するためには、どうしたらよいのでしょうか?

 

これについては、第一に、「産後うつは母親だけでなく父親にも起こりうること」を「まず知る」ことが大切です。そして、「産後うつ」は出産によって急激に生活が変わる「男女」ともに注意しなければいけない疾患であるという理解を深めていくことが必要です。

 

その上で、専門家は「女性は妊娠中から少しずつママとしての自覚を養っていく一方、男性はそうした機会を持つことが難しく、夫婦で、妊娠中から産後の赤ちゃんと暮らしていく生活や育児について、十分なコミュニケーションをとっていくことが必要」と指摘しています。

 

産前産後。パパも、「新しい自分」に出会って、ますますパワフルな人生を!

 

産前産後。この大きく生活や環境が変化するときは、ママだけでなく、パパにとっても、自分自身やこれまで人生と向き合う大切な時期となります。

 

ママも、パパも、「子どもと共に生きていく一人の大人」として、より豊かに、より健やかな毎日を送っていくことができるように、そのための場や機会をもつことは、今後の人生を大きく左右するといっても過言ではありません。

 

いつまでも夫婦でともに、子どもを授かった時に湧き出た「喜び」や「責任感」を忘れずに、子育てという限りある最高の日々を、「最強のパートナー」となって楽しんでいくことができるように、当協会では現在、「ママを対象とした産後ケア」だけでなく、「パパ向け」や「夫婦」を対象としたイベントも動き出しております。

 

まずは、すべてのママ、すべてのパパに必要な「産後ケア」を知ってください。