COLUMN

2021.10.21

姿勢を変えて“一流”に導くバランスボール

 

著名人や身近にいるカッコイイ方など、あこがれのあの人を思い浮かべると、みなさん背筋が伸びた姿勢ではないでしょうか?

 

良い姿勢とは、「美しく」「疲れにくく」「動きやすい」という3条件を満たしているもの。見た目が美しいだけでなく、肉体にとっても負担の少ない姿勢が良い姿勢です。

 

姿勢が悪くなると、身体の重心が崩れることにより、骨格や筋肉の一部に過度な負担がかかります。結果、内部の内臓や神経、血管が圧迫され、多様なトラブルが生じかねません。

 

頭痛や肩こり、腰痛、冷え、むくみ、便秘、不眠など、なんとなく気持ちが晴れず、心身の違和感と感じているならば、もしかすると「普段の姿勢」が影響しているかもしれません。

 

 

良い姿勢から生まれる好循環

 

過去に発表された南カリフォルニア大学の研究によると、人は胸を張って背筋を伸ばした姿勢でいるほうが、猫背で前かがみになっているときよりも、「痛みやストレスに耐える力」が強いことが明らかになりました。

 

この実験では「①アゴを上げて胸を張り、周囲を見下ろすかのような姿勢」と「②普通のまっすぐな視線の姿勢」「③猫背でうつ向いている姿勢」の3つの姿勢をとり、それぞれ痛みにどれくらい耐えられるかを調べたところ、①の堂々とした姿勢のときが最も痛みを感じなかったそうです。

 

さらに、「胸を張った姿勢」をとると男性ホルモンの「テストステロン」の値も上昇することから、胸を張るだけで自信が生まれ、アグレッシブになれるとのこと。

 

「メンタルと姿勢との関係」については、以前から数多くの報告がありますが、心を強くしたいと願っている人は尚更、普段の生活やビジネスに「良い姿勢」を活用していきたいものです。そうすれば、自然と気持ちは上向きになり、明るく快活な言動が生まれ、不安やプレッシャーにも強い自分が当たり前になっていることでしょう。

 

 

「自信が湧き出す姿勢」の作り方

 

良い姿勢を作るために見逃せないものはインナーマッスルです。

 

このインナーマッスルは、体の奥深くにある筋肉の総称であり、体の軸を作り出し、内臓を正しい位置にキープしている役割があります。一方、これらの筋肉が衰えていると姿勢を保てなくなり、体が歪んだり、ポッコリお腹の原因となっていきます。

 

理想の良い姿勢を作るコツは極めてシンプルで、ポイントは「骨盤」を意識すること。

 

まず骨盤を床に対して垂直に立てた角度を保つようにします。垂直の角度が分かりにくい方は、椅子に座った際 お尻の下に手を入れてみてください。左右に一つずつ触れる骨盤下部の骨(坐骨)が触れるはずです。この坐骨を椅子にまっすぐ突き刺すようなイメージで座ったり立ったりすると、骨盤は床に対して垂直になります。こうしてできた姿勢が「良い姿勢」です。

 

体を骨で支えることができるようになると、筋肉の余計な負担がなくなり、疲れにくい体になります。また、背筋が伸び、体に軸が通ると、無駄な緊張から心身ともに解放され、気持ちにも余裕が生まれてきます。こうして肉体的な健康だけなく、日々の心の安定にも役立てていくことができるのです。

 

 

姿勢はすべての基本

 

人の立ち姿をみるだけで、その人の生活や健康度が分かるというくらい、姿勢は私たちのありのままを示しているものです。普段の姿勢がメンタルにも関係しているのであるならば、この特性を日常や仕事に活用していきたいもの。

 

では「今から姿勢改革を!」と願うところですが、無意識の習慣となっている猫背や反り腰の姿勢を日常的に良い姿勢へ習慣化していくことは、容易なことではありません。

 

そこで、体力メンテナンス協会がお勧めするのが、「バランスボールを用いた姿勢改革」です。

 

ボールに座ると、前後左右にゆらゆらと体がゆれます。その不安定さの中でバランスを取ろうとすると、自然とインナーマッスルにスイッチが入り、背骨と骨盤が正しい位置に整い、美しい姿勢をつくりだしていくことができます。

 

コロナ禍となり、在宅勤務が増えている今、多くの方の座位時間が多くなっています。ついつい猫背になっている方は、仕事での椅子をバランスボールに変えてみるのもおススメです。そうすれば無意識でも「良い姿勢」を保つことができ、自身の健康やメンタルにとどまらず、仕事のパフォーマンスもきっと変わってくるはずです。