COLUMN

2023.06.01

産後ケアと体力メンテナンス:産後ケアを当たり前の世の中に!

 

 

妊娠・出産で女性にはどんな変化が起きるのかをご存知ですか?

決してお腹が大きくなるだけの変化ではないことは理解していても、具体的なことを問われると言葉に詰まってしまう方は多いかもしれません。

 

産後ケア」という言葉が広がりつつあるなかで、産後女性への関心は高まっている状況ではありますが、それでも「産後にケアが必要」と積極的に自身のケアを求める人はまだまだ少ないのが実情です。今回は全ての方に知ってほしい産後のリアルに関する内容です。

 

産後3か月ママのリアル!

 

産後は授乳やおむつ交換など、出産と同時に一気に赤ちゃんへのケアが増え、ママの生活は大きく変化します。

 

育児書等には「授乳は3時間おきに1日8回程度」と一般的に書かれていますが、赤ちゃんの睡眠リズムが不規則な産後3か月頃までは、特に授乳のタイミングは定まらず、さらにママも赤ちゃんも授乳に慣れていないことから「気が付いたら授乳に1時間かかっていた」なんてことはよくあること。その後におむつ交換や寝かしつけであっという間に1時間。少し休みたいと思ったら赤ちゃんが泣き始め、あやしていたら次の授乳時間になってしまい、「全く休めなかった」「何もできなかった」という日常が続いていきます。

 

ある調査では、「産後の育児・家事量は一般女性の2倍以上」との調査結果も報告されていますが、そうした中でママは買い物や洗濯などの家事もこなしていく日々。さらに、まだまだ幼い子がいる経産婦のママは上の子のお世話や遊び相手にも忙しく、体も気も休まる時間がない毎日となっているのです。

 

1日24時間、赤ちゃんの欲求に応えるべく常にスタンバイ状態になっているママの日常は、いつも緊張状態となっており、得体のしれないプレッシャーを常に感じながら、肉体的にも、精神的にも、疲労が増大させていきます。

 

「もう無理」と限界を感じる危機は全てのママにある

 

日中は母子だけで過ごす家庭が多くなっていますが、こうした環境はママを孤立させ、孤独感を深めていきます。「今日、誰とも話をしていない」とふと思う。自分のことを考える余裕もなく、笑うことさえ忘れてしまう。こんな日常が重なっていくと、孤独や疲労を感じていることさえ鈍感となり、感知できなくなっていくのが産後です。

 

「今から帰るよ」と夫から連絡が来たとき、ものすごくホッとした。

こんな産後の記憶はありませんか?

 

生まれたばかりの赤ちゃんとの生活は、命をなんとしてでも守らなければいけないという計り知れない重圧に圧倒され、予想もできない出来事や何をしても泣き止まないという日常の一コマはママに恐怖心をも与え、次第に追い詰めていく引き金にもなります。それでも、いいお母さんでありたい。必死になってママは赤ちゃんとの新しい生活に向き合っているのです。

 

「産後はケアが必要である」というあたり前を世の中の常識に

 

産後うつは産後3~4か月に一つのピークがあるとのデータがありますが、これは決して特定のママだけに起こりうるものではありません。産後の身体回復もままならない状態で、交通事故同様のダメージを受けた体で、ママは慣れない育児に奮闘しているのです。

 

自分のことは二の次、不調があっても仕方ないこととして自己のケアを後回しにしているママは多いですが、それ以上に自分の限界にさえ気づかないまま必死になっているママが多いのがリアルな産後ではないでしょうか。

 

全てのママに産後ケアを!

 

体力メンテナンス協会では、産後ケアへの普及活動を意欲的に行っています。

 

産後のダメージは、体重が戻らない・肩こり・腰痛など外側だけではなく、環境の変化などから起こるストレス・浅い睡眠や緊張感といった内側から起こることも多いのです。そして何よりも問題なのは、この心と体の疲れに産後は気が付きにくいこと

 

実際は自覚の数十倍も消耗しており、目に見えない気付かないところで大きなダメージを受け、体力・気力不足となり、自律神経の乱れを引き起こすこともあるのです。また、核家族化が進む中、すべてを自分一人で気力で乗り越えようとすることで、産後クライシス産後うつを発症する危険性もあります。

 

そうならないために必要なことは、ただ動ける身体ではなく、気力やエネルギーに溢れた「真の体力」です。体力が低下している産後こそ、真の体力をつけるべく、適切な運動が必要です。

 

とは言っても、子どもを預けてまで行えないママがほとんどです。そんなママに、体力メンテナンス協会では、赤ちゃんを抱っこして一緒にエクササイズのできる「バランスボール」をおすすめしています。こうして産後に変化の起きた身体と心を再構築し、産前よりもっと輝く豊かな自分と出会えるようになるのが体力メンテナンス協会の産後ケアです。

 

産後ケアは全てのママに必要です。赤ちゃんとの健やかな生活・育児には、心身の回復を適切に促す積極的なリハビリが必要です。このことを全ての人が理解し、産後女性が自ら積極的に産後ケアに取り組んでいくことが当たり前になりますように!