COLUMN

2017.08.01

その不調の原因、「自律神経の乱れ」かも?!意外に知らない自律神経の大切な話

なんだか寝つきが悪い。眠っても疲れが取れない。朝スッキリ目覚めることができない。

いつもダルい。やる気が起きない。休みの日に外出するのがおっくう。

そんな風に感じることはありませんか?

現代日本人の大半が、多かれ少なかれこういった不調を感じているようですが・・・

この不調の原因は、実は「自律神経の乱れ」にあることが多いのです。

 

自律神経の乱れってどうして起こるの?

自律神経が乱れるとどうなるの?

 

私たちの心身の状態を大きく左右するものでありながら、意外と知られていない自律神経のお話をしましょう。

 

そもそも自律神経って何?

「自律神経」という単語は聞いたことはあるけれど、身体のどこにあってどんなはたらきをしているかと訊かれると…?

そう、あまり知られていないんですよね。

自律神経は、脳から繋がり、背骨の中を通って全身に分布する末梢神経系の1つで、自分の意志と関係なく刺激や情報に反応して身体の機能をコントロールしている神経です。

例えば、呼吸や、心臓を動かす、血液を流す、消化する、などの動きは、いちいち意識しなくても身体が勝手に行ってくれていますよね。

これを全部、自分の意志で24時間行わなければいけないとしたら、大変です。

最低限の生命維持機能をキープするだけで精一杯で、他の事は何もできなくなってしまうでしょう。

この自律神経は、交感神経という活動モードの神経と、副交感神経という休息モードの神経の2つから成り立っていて、この2つがバランスよく切り替わってはたらきながら、私たちの健康を保っています。

 

●交感神経=運動、緊張、ストレスなど、アクティブな状態の時にはたらく。(活動モード)

●副交感神経=リラックスした状態の時にはたらく。(休息モード)

 

この2つが常にバランスよく切り替わりながらはたらいていればよいのですが、切り替えがうまくいかなくなると、心身に様々な不調が起こってきてしまいます。

それこそが、「自律神経の乱れ」なのです。

 

自律神経が乱れる3つの原因とは?

さて、「自律神経の乱れ」の原因とは、一体何なのでしょう。

大きく分けて、3つの原因が挙げられます。1つずつ見ていってみましょう。

 

①緊張感

責任ある仕事、育児、介護など、緊張感のある状況、ストレスのかかる状況が続くと、交感神経(活動モードの神経)が優位な状態が続き過ぎてしまい、副交感神経(休息モードの神経)が優位な状態への切り替えがスムーズにいかなくなってしまいます。

まるで、シーソーの付け根が錆びついて動かなくなってしまったように、交感神経ばかりがはたらいた状態のまま、うまく切り替わらなくなってしまうのです。

②姿勢

猫背や反り腰など、背骨が自然なS字のカーブを描けない状態の姿勢でいると、背骨の中を通っている神経の伝達が悪くなり、自律神経の乱れにつながります。

③ホルモン

男性ホルモン、女性ホルモン、成長ホルモンなどのホルモンを分泌する司令塔と、自律神経の中枢。

この2つは、脳の中のとても近い場所に存在します。

そのため、一方がバランスを崩すと、もう一方も影響を受けてバランスを崩しやすいのです。

たとえば、出産や更年期などで女性ホルモンのバランスが崩れると、影響されて自律神経も乱れてしまいます。

 

自律神経が乱れるとどうなるのか

交感神経(活動モードの神経)優位の状態から副交感神経(休息モードの神経)優位の状態への切り替えがうまく行かなくなると、眠っても神経はずっと活動状態にあり、リラックスした状態にならないので疲れが取れません。眠っても眠っても回復せずに、疲労がどんどん溜まっていきます。

また、よく眠れなくなり、不眠症からうつ状態や精神不安定に発展することもあります。

ストレス社会に生きる現代人の不調の多くは、副交感神経(休息モードの神経)が優位な状態への切り替わりがうまくいかず、十分にリラックスできていないことが根本的な原因であると言われています。

この状態が続くと、ホルモン分泌にも影響が及び、ホルモン分泌異常が起こります。

女性であれば、月経異常や無排卵、不妊を引き起こすケースも珍しくありません。

 

自律神経を整える効果的な方法とは?

自律神経の乱れを解消するためには、すっぱい、辛いなどの刺激物を口にしたり、発酵食品、食物繊維、水分を多めに摂り、ぬるめのお風呂に入るなど様々なアプローチができますが、ここでは特に効果的で即効性のある方法をお伝えします。

仕事や育児、介護など緊張感のある状態が続くと、交感神経(活動モードの神経)が優位な状態のまま、リラックスの方に切り替わりにくくなってしまいます。

身体はあまり使っていないのに神経は擦り減っているという状況であれば、効果的なのは有酸素運動です。

有酸素運動を行って身体を物理的に疲れさせてから運動を休止すると、身体が休もうとして、強制的に副交感神経(休息モードの神経)に切り替わるように人間はできているのです。

プールで泳いだ後、プールサイドで横になったらフワッと眠気が襲ってきた経験はありませんか?

ジョギングをしている間は何も感じなかったのに、走り終えたら急にトイレに行きたくなった経験は?

これらは、副交感神経がはたらいている証拠なのです。

有酸素運動は、自律神経の乱れを解消し、バランスを整えて心身を健康に導くだけでなく、体力、免疫力をつけ、疲れにくい身体を作るのにも効果的です。

一般社団法人体力メンテナンス協会では、老若男女問わず手軽に有酸素運動を行うことのできるバランスボールエクササイズを推奨しています。

自律神経を整えて、その不調とサヨナラしましょう!