COLUMN

2017.08.15

「学校に行きたくない」のにはこんな隠れた原因があった!!

近年、小学校から高校まで、年齢を問わず不登校児が増えています。

「学校に行きたくない」。

友達とうまくいかない、授業についていけない、給食が好き嫌いなく食べられない…

具体的な理由は一人ひとりの子どもによって様々ですが、根本となっている原因の1つは、実は現代日本の全ての子どもに共通して存在するものかもしれません。

それは、「子どもの体力低下」。

学校に行きたくない子どもと体力低下の関連性を、現代日本の子どもが置かれた状況からみていきましょう。

子どもの体力

体力は、人間のあらゆる活動の源です。

健康な生活を送る上でも、物事に取り組む意欲や気力の源としても欠かせないものであり、子どもの健全な発達や成長にも深く関わってきます。

体力低下は、ストレスに対する抵抗力の低下も引き起こし、これが「学校に行きたくない」大きな原因の一つになっていると考えられます。

体力をつけるには、有酸素運動が不可欠。

子どものうちから十分に運動を行うことは、体力をつけるだけでなく、運動やスポーツに親しむ身体能力の基礎を養い、病気から身体を守る免疫力を高め、健全な精神を育むのにも役立ちます。

しかし、「学校に行きたくない」子が増えている、近年はどうでしょうか。

文部科学省が行っている調査によると、子どもの体力・運動能力は昭和60年頃から現在まで低下し続けています。

食生活の充実によって栄養が十分に行き渡り、親の世代より体格はよくなっているのにもかかわらず、体力・運動能力は低下しているのです。

このことから最近の子どもたちは身体機能そのものがおそろしく低下しており、状況はかなり深刻であると言わざるを得ません。

子どもの体力が低下しているのはなぜか

現代の子どもの体力低下は、慢性的な運動不足から来ています。

子どもが運動不足になっている原因は何でしょうか。大きく分けて、3つの原因が挙げられます。

まず1つ目は、日本式から欧米スタイルへの生活様式の変化や、昔に比べ生活が便利になったことで、日常生活において身体を動かす機会が減ったこと。

2つ目は、保護者をはじめ国民全体の意識の中で、外遊びやスポーツより学力向上を重要視する傾向が生まれ、どんどん大きくなっていったこと。

そして3つ目は、空き地など子どもたちが手軽に遊べる場所が減り、ネットやテレビゲームが普及したことで外遊びより室内遊びをする子どもが増えたことです。

このような原因から生まれた子どもの運動不足は、体力・運動能力の低下だけでなく、自己と社会性の未発達を招き、「学校に行きたくない」=不登校や、「キレる、荒れる」=校内暴力、学級崩壊などを引き起こしています。

子どもの頃の運動が心のストレスを減らす

子どもの運動不足が「学校へ行きたくない」根本的な原因の1つになっていると指摘しましたが、運動、とりわけ幼少期に身体を動かして遊ぶことは、丈夫な身体を作るだけではなく、実は脳や心の発達にも深く役立っています。

基本的な脳の仕組みの90パーセントが作られる8歳までに身体をしっかり動かして遊んでおくことで、脳の中の「我慢する」という機能を制御する部分などが十分に発達します。

また、運動は成長ホルモンの分泌を促し、質の良い眠りが得られることで心身の健全な成長・発達にも役立ちます。

さらに、運動すること自体が、精神的なストレスを発散させて心を健やかに保つ効果も持っているので、「学校に行きたくない」子どもには、しっかり身体を動かすことが、問題解決の第一歩となるのではないでしょうか。

また、外遊びは他者とのかかわりの中で社会適応力や認知的能力も発達させます。

幼少期から外遊びを十分に経験させておくことで、将来「学校に行きたくない」という状況に陥るのを未然に防ぐのにも役立てられそうですね。

 

最後に

「学校に行きたくない」。

子どもがそう口に出したら、親はとても心配しますよね。

まず、しっかりと話をきいてあげてください。

そして、具体的な問題の解決に向けて動くかたわら、根本的原因が体力低下にある可能性を心に留めてみてください。

お子さんの体力づくりが、学校へ行きたくない気持ちが生まれる心の状態そのものを、改善するのに役立ってくれるかもしれませんよ。

その時はぜひ、お父さんお母さんも一緒に身体を動かして体力づくりしてみてくださいね。