COLUMN

2021.08.14

更年期から始まる「新しい私」:健やかな更年期へ導くバランスボールダンスの可能性

 

人生100年の今。現代の女性は、50歳頃に迎える閉経後も長い人生を生きていくこととなります。更年期は第二の人生の始まり。そう言われるほど、女性にとって更年期は大切な転換期なのかもしれません。

 

あなたは更年期を迎えることが楽しみですか?

更年期を心地よく過ごすことができていますか?

 

こう質問すると、渋い表情をする方が多いのは、もしかすると「更年期障害」をイメージしたり、「更年期症状」と言われる閉経時に生じやすい心身の不調を思い浮かべたりしまうからでしょうか。

 

多くの女性は50歳前後で閉経を迎え、この閉経前後の10年(45~55歳ごろ)を「更年期」と呼びます。この時期は女性ホルモンの分泌量が急激に減少することにより心身のバランスが乱れやすく、頭痛や動悸、ほてりなどの体の変化や、不安や葛藤などの心の変化を経験することもあります。さらに閉経以降は、エストロゲンの低下によって、体重増加や体脂肪の蓄積、中性脂肪の増加といった代謝障害のリスクが高くなり、生活習慣病や心血管疾患の発症にも注意を要します。

 

更年期を元気に過ごすためには?

 

更年期を元気に過ごしたい!

 

これはすべての女性が願っていることです。しかしながら、更年期から体調不良や精神的な不調を経験し、生活にも不具合を生じている閉経後女性は決して少なくありません。

 

では、心と身体の変調が見られやすい更年期を、どう迎えたらよいのでしょうか?

更年期以降の人生も、元気に心地よく過ごすために、何か自身でも実践できることがあるのでしょうか?

 

その答えは「YES!」です。

 

更年期症状の予防や改善に向けて、運動や身体活動の習慣化がより良い影響を与えることは、これまでの研究でも報告されています。そしてつい最近の研究においても、「ダンスセラピー」が更年期女性の心身によい効果を与えることが明らかになりました。

 

ダンスセラピーが更年期女性を笑顔に!

 

「ダンスセラピー」とは、踊ることや身体の動きによって、心と身体を調和させ、元来その人があるべき健康な状態へと導いていくものです。もともとアメリカで生まれたもので、精神科の入院患者さんを対象に行ったリズム体操が原型にあるそうです。

 

簡単なダンスを通して、健康的な自己表現を引き出すことに効果が認められ、我が国でも20年ほど前から施設や病院など様々な場所で取り組まれています。

 

そして今回、北米更年期障害学会の学会誌にオンライン公開された研究によれば、週3回(1回90分)のダンス教室に16週間参加することによって、①閉経後女性の中性脂肪値は平均で25mg減少し、善玉のHDLコレステロール値は4.6mg/dL増加し、総コレステロール値も改善したそうです。さらに、②身体機能としては調整力・敏捷性・有酸素能力に改善がみられ、③セルフイメージや自尊心といったメンタル面においても効果が期待できると示唆されました。

 

こうして定期的なダンスが閉経後の女性に起こりうる心身面の不調を予防・改善できる可能性が示されたことは、更年期はもちろん、ホルモンの変動とともに生きる女性が生涯を通じて健康的に過ごしていく上でとても有益な情報ではないでしょうか。

 

バランスボールダンスを始めてみませんか?

 

踊りは太古の昔から日常の中で行われてきたもの。決して難しいものではなく、何よりも重要視されているのは、上手に踊ることではなく、「体を動かすことで生まれる心理的な変化」です。

 

体力メンテナンス協会では、バランスボールに座って弾むエクササイズを提供しておりますが、その中でも音楽に合わせて体を動かすバランスボールダンスは、曲のジャンルや動きの強度もそれぞれの好みに合わせて行うことができ、「体がスッキリする!」「とても楽しい!」「心まで軽くなる!」と、どの年代の方にも大好評です。

 

音楽に合わせて弾むリズミカルな動きは、心地よい呼吸を促し、知らず知らずのうちに緊張している心身を緩ませ、快適な状態へと導いていきます。体験後は誰もが晴れやかな表情になっていきますが、こうした反応は「ダンスセラピー」としての効果でもあるのではないでしょうか。

 

バランスボールとともに豊かなウーマンライフを!

 

現在、インスタグラムをはじめ様々なSNSで、幣協会のインストラクターがバランスボールダンスをアップしています。「バランスボールがある・なし」に関わらず、インストラクターが楽しそうに踊っている姿を真似て、皆さんも楽しく体を動かすことを体感してみませんか?ぜひ「♯バランスボールダンス」で検索してみてください。

 

大切なのは、楽しむこと。心地よさを選択すること。

 

音に合わせて体を動かしていくことで、心身の調和が保たれ、「調子のいい私」が当たり前になってきます。ぜひお気に入りの先生を見つけて、健やかなライフスタイルのひとつとして、「バランスボールダンスを楽しむ日常」を取り入れてみてください。